修復と表装掛け軸修理と表装｜表具師　錦司堂

掛け軸の修理

掛け軸を修理する理由は、主に以下のようなものがあります。
鑑賞・・・修理をすることで、掛け軸を再び鑑賞できるようにするためです。
保存・・・傷んだまま放置せず、手遅れになる前に修理を行うことで、症状の進行を抑えます。
継承・・・修理を行うことでその伝統を次世代に伝えることができます。
修理の際は、専門の技術者に依頼することが一般的です。掛け軸の素材や技法に合わせて、最適な方法で修理を施します。

掛け軸の修理実例

掛け軸だけでなく、表具の修復と表装

表具とは何か？ 伝統的な和の表具には、主に「掛け軸」「和額」「巻物」「屏風」などがあります。身近では「襖」も含まれます。
表具修理の内容は？ これらの作品は、和紙や絹でできており、時間が経つと傷んでしまいます。そこで、傷んだ部分を修復し、保存性を向上する作業が行われます。
表具修理だけでなく、どんな作業を行うのか？ 修理作業だけでなく、環境に合わせて作品を鑑賞、保管するための「表装」も行います。表装は、これらの伝統的な工芸品を鑑賞し、後世に伝えるために欠かせない作業です。

和紙作品の修復（修理）保存

表装に欠かせない「裏打ち」とは？

表装作業の基本に裏打ちという技法があります。
修復では、和紙史料の閲覧・保存を可能にします。
表装では、掛け軸・額装等に加工できるように欠かせない作業です。

和紙史料（資料）の修復保存

修理対象品

個人様や寺院様が所有されている、掛け軸を主に対象としております。ただし、販売目的の高級美術品としてお預かりする場合は、修理の対象外となる場合がございます。

修理後の雰囲気

作品の「保存」と「時代感」を優先した修理（修復）を行います。作品に絵や線を書き加える、復元修理ではなく、作品が持つ歴史と風合いを大切に残すアプローチを取ります。

修理期間

損傷状態や大きさによって異なりますが、現在の目安は約4ヶ月です。（2026年　春期）
お急ぎのご要望がある場合は、可能な限り対応を検討いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

修理品の保証

納品後、万が一明確な不具合が発生した場合は、納品後3ヶ月以内であれば無償で修理をいたします。ただし、お客様による長期間の乾燥状態での放置など、作品が置かれる環境に起因する状態変化については、保証の対象外となります。詳細は利用規約をご確認ください。

ご挨拶

 私たちは、歴史ある掛け軸の修理・表装を、伝統技術と科学技術を調和させながら、現代に受け継いでいます。
大量生産向きの、機械による表装が普及する中でも、「後世に残す」大切な作品には、伝統的な表装が不可欠です。
現代では床の間の減少や生活様式が変化していますが、「先祖代々受け継がれてきた大切な作品を、次の世代へ繋ぎたい」という修理・保存のご要望は依然と高まっています。
どこに修理を頼めばいいか分からない」というお悩みの声を受け、2004年からホームページで情報公開とご案内を続けています。
岡山近隣県はもちろん、全国各地からご依頼をいただいており、多くのお客様に支えられています。
「失われる前に」大切な掛け軸を最善の状態で守り、その伝統と価値を未来へ継承するためのお手伝いをいたします。

【画像について】 掲載している作品画像は、かつて当店が所有していた品で、研究・広報活動のため当店で表装した作品例です。