古画 掛け軸修理

 古画 墨画 掛け軸の修理例

伝来した墨や顔料で描かれた掛け軸の修理例

 修理例1 墨画 掛け軸

撮影環境や出力画面により、実物と多少の色合いの変化があります。
鷹図・・・武将に好まれて、屏風・掛け軸・障壁画に描かれていたようです。

 

 

 掛け軸の状態を調査します

【古画の寸法】 タテ 41㎝ ヨコ 53㎝                                     【古画の状態】 和紙に墨で描かれた鷹図。虫による大きな損傷・折れや引っ掻き傷もみられます。           【掛け軸の寸法】 掛け軸の上部が破損の為、本来の寸法は不明です。                        【掛け軸の状態】 紙による掛け軸もあり、破損や劣化による損傷。閲覧・展示は困難。                【修理方針】 鷹図の保存を優先した修理と、掛け軸の新調。

 修理作業

先ずは、墨部分にニカワ水溶液を塗って強化した後、旧裏打ち和紙を新しく修復に適した和紙に取り替えます。
作業途中で虫穴に和紙で補填します。また補填した部分は、僅かに色が白いので、補彩して調整します。

 

 掛け軸に表装

古い鷹図ですので、時代色が付いた裂で、落ち着いた感じに表装しました。

表装形式・・・二段表装で風帯はなく、少し重厚な雰囲気を避けました。

表装裂の配色・・・鷹図は時代を経ているので、墨の線や輪郭が鮮明さに掛けています。 また

表装裂の模様や色に、鷹図が埋もれないように気を付けました。

表装裂の品質・・・鷹図の周囲には、金襴裂。中廻しに正絹緞子・天地に正絹無地裂


 参考価格

作品の損傷度・大きさ・表装材料等により、価格は異なります。

 古画修理費     修理工数  ★★★   30,000円
 掛け軸表装費   二段表装 上品    40,000円
 合計     70,000円位

 

 修理例2 墨画 掛け軸

*撮影環境や出力画面により、実物と多少の色合いの変化があります。
(伝)池田治政・・・江戸時代 岡山藩の大名

 

 掛け軸の状態を調査します

【古画の寸法】 タテ 80㎝  ヨコ 27㎝                                    【古画の状態】 横折れや虫穴があります。また過去の修理痕もみられます。                     【掛け軸の寸法】 タテ 155㎝  ヨコ 37㎝【掛け軸の状態】 掛け軸全体の表装裂の劣化や損傷。          【修理方針】 新しく掛け軸を表装し直しますが、一文字や風帯に使用されている裂は再使用します。

 主な修理作業

剥落止め・・・絵具と落款に膠水溶液を塗布 →洗浄で水分に反応しやすい部分を強化

裏打ち和紙取り替え・・・作品を支えている和紙を新しく取り替えます。

虫穴補填・・・和紙で補填

横折れ改善・・・折れた部分の裏側に補強

補彩・・・虫穴に補填した部分は白いので、違和感緩和で補彩

 修理後に掛け軸表装

可能な部分には、修繕して再使用しました。                                    表装形式・・・三段段表装。絵や書の作品に合います。                               表装裂の配色・・・時代を経た作品ですので、渋みも加えました。                          表装裂の品質・・・一文字や風帯の金襴裂は再使用。中廻しに正絹緞子・天地に正絹無地裂。軸先は再使用。

 参考価格

品の損傷度・大きさ・表装材料等により、価格は異なります。

 仏画修理費     修理工数  ★★   20,000円
 掛け軸表装費  三段表装 上品 やや小サイズ   60,000円
 合計    80,000円位