古画 掛け軸修理

古画 墨画 掛け軸の修理例

修理例1 日本画 掛け軸

*撮影環境や出力画面により、実物と多少の色合いの変化があります。

土佐光貞・・・日本の江戸時代中期から後期に活躍した土佐派の絵師

 



掛け軸の状態を調査します

【日本画の寸法】 タテ 97.5㎝ ヨコ 35㎝     

【日本画の状態】 絵の部分の損傷はありませんが、上部に鑑賞の妨げになる目立つ濃い汚れがあります。

【掛け軸の寸法】 タテ 185㎝  ヨコ 52㎝

【掛け軸の状態】 絵の部分だけでなく、掛け軸にも汚れがあります。劣化も進んでいます。

【修理方針】 作品の汚れは薬品を使用しても落とします。新しく掛け軸を表装し直しますが、一文字に使用されている裂(竹屋町)は貴重ですので、再使用します。

修理作業への準備

 今後の作業には水分を伴う裏打ちが3回ありますので、

 絵具部分に、膠(ニカワ)水溶液を塗って強化します。

 絵具の剥落はなく、描かれた作者の技量の高さを感じます。

 水分の影響で、絵具が剥落したりする可能性もありますので、強化をします。

 




裏打ち和紙を取り替える

 裏面に貼り付けている和紙を取り除きます。      

 前回の表装は、江戸時代~明治時代初期と想像しています。

 よって、糊は小麦粉デンプン糊ですので、安全に和紙を剥離できます。

 もし近年の表装で、化学系の特殊な接着で表装されている場合は、

 安全に裏打ち和紙を剥離できない場合があります。

 

 


シミ落とし

 絹に水溶性とみられる汚れがあるので、直ぐに洗い流せば影響は少なかったと思われます。

 付着してから期間が経過しているので条件は良くないですが、先ずは水で洗浄しました。

 幸運なことに、絵の部分から遠い位置に汚れがあるので、大胆に洗浄できます。

 部分的に薬品を使用して、鑑賞に妨げのないレベルにまで落ちました。

掛け軸に表装

 土佐光貞が描いたとされている掛け軸ですので、現在でも貴重な裂が一部使用されています。

 作品の上下にある、一文字(風帯も同じ裂になる場合が多い)も修繕して、再使用しました。

 前回の掛け軸でも、品質がよく、作品の雰囲気に合っている裂があれば再使用します。

 古い雛図ですので、時代色が付いた裂だけでは、華やかさがなくなります。

 若々しい色合いも取り入れた、掛け軸に仕立てました。

  

 


参考価格

作品の損傷度・大きさ・表装材料等により、価格は異なります。

【掛け軸表装費】 形式 三段表装 上品 65,000円

【日本画修理費】 損傷軽度  但しシミ落とし 30,000円  【合計】 95,000円


修理例 2 墨画 掛け軸  (現在修理中)

*撮影環境や出力画面により、実物と多少の色合いの変化があります。
池田治政・・・江戸時代 岡山藩の大名


修理例 3 墨画 掛け軸  (現在修理中)