掛け軸の修理や和紙史料の修復
日本の伝統的な工芸品である表具の修理についてご紹介します。
何を修理するのか?
伝統的な和の表具には、主に「掛け軸」「和額」「巻物」などがあります。
修理の内容は?
これらの作品は、和紙や絹でできており、時間が経つと傷んでしまいます。そこで、傷んだ部分を修復し、保存性を向上する作業が行われます。
修理だけでなく、どんな作業を行うのか?
修理作業だけでなく、環境に合わせて作品を鑑賞、保管するための「表装」も行います。表具の修理と表装は、これらの伝統的な工芸品を鑑賞し、後世に伝えるために欠かせない作業です。
掛け軸の修理(修復)
掛け軸の修理作業による変化や使用材料等
掛け軸の修理例 画像をクリック
修理対象品
個人様や寺院様が所有する、傷んでいる掛け軸が対象です。
重要美術品である場合や、販売目的の高級品である場合は、修理の対象外となります。
修理後の雰囲気
復元(絵や字が蘇ったように奇麗になる)修理ではなく、劇的な変化は期待できません。
保存を優先し、時代を感じさせる雰囲気を残すアプローチを取ります。
修理期間
現在約4カ月後です。(2024年 秋季)
傷状態や大きさにより,長くなる場合があります。またお急ぎの場合は、ご相談に応じます。
修理品の保証
明確な不具合が発生した場合、商品の納品後1年以内であれば無償で修理いたします。
ただし、長期間の乾燥状態での放置など、環境により商品の状態が変わった場合は、この対応が適用されません。詳細については利用規約をご覧ください。
和紙作品の修理保存
▶ 表具作品の修理
和風建築に合った和額や屏風を処分する場合等、作品を取り外して修理だけを行います。
古文書の修理
和紙史料の虫損や劣化を解消して、閲覧・保存します。
古地図 和紙公図 和綴じ本の修理
和室から洋室への変化等に伴う表装形式の変更や修復について
例えば、和室から洋室に変更すると、床の間がなくなり、掛け軸を飾る場所が失われることがあります。
そのような場合には、表装形式を変更して保存することができます。
修復した作品を、利用する環境に合わせて表装できます
作品を掛け軸から、額縁に入れ替える等、新しいスタイルに変更します。
扁額の修理
扁額・欄間額の作品を修理保存します。
額縁を含めて作品の修理に対応いたします。作品のみの修理も可能です。
表具師による歴史を有する掛け軸の修理・表装は、伝統技術と科学技術の調和によって現代に受け継がれています。
近年は大量生産や機械による表装も存在しますが、後世に残す作品には伝統的な表装が求められます。
床の間の減少やライフスタイルの変化により、掛け軸の需要は以前より減少していますが、世代交代が進む中で、先人が残した作品を修理して保存する動きを感じます。
掛け軸修理の需要は依然として数多くありますが、どこに依頼すれば良いか分からない方も多いため、2004年からHPでPRを行っています。岡山近隣県を中心に、全国からの配送便で修理のご依頼を受けており、多くのお客様に支えられています。
掛け軸の伝統を守りながら、失われる前に修理を行うお手伝いをさせていただいております。