扁額・欄間額の修理

長押の上の和紙や絹で描かれた横額の修理します。

掛け軸の修理に限らず、和室の長押の上の額縁の修復や新調も行います。

通称 欄間額や扁額と呼ばれます。和紙や絹に描かれた(書かれた)書や絵であれば、修理対象です。


扁額・欄間額の修理の項目

1作品修理と額縁の修繕

2作品修理と額縁の新調

3作品修理と既成の額縁で保存

4作品の修理のみ

よくある質問


1 作品修理と額縁の修繕

撮影環境や出力画面により、実物と多少の色合いの変化があります。

 犬養木堂筆・・・昭和初期の首相

 

 

作品を取り出すために、額装を解体します。

最初に額縁を解体します
額縁には、下地の上に貼られた金箔布、そして塗りの縁がついています。
その額縁に、和紙に書かれた作品が貼られています。作品と額縁を分離して、それぞれを修復・修繕します。

 

作品の修理を行います

 

額縁の修繕

 

1 下地  木材で格子状に組み立てた土台になります。その上に数回の和紙を貼り重ねます。
2 縁  下地の周囲に取り付けます。
3 金箔 下地の上に金箔を貼っています。
4 作品 金箔の上に作品を貼っています。

 

 

修復した書作品を修繕した額縁に再び貼ります

作品があった位置に合わせて、修復した書作品を貼ります。

 

参考価格

書 修理費  修理工数 ★★★ 30,000円

額縁修繕費  20,000円

合計費用   50,000円

 

2 作品修復と額縁の新調

作品を修復して、そのまま現状の額縁が使用できない場合は額縁を新調します。
作品の大きさ等に合わせて、額縁を指物師に製造してもらいます。

既製品とは異なるために価格も大きく違います。そちらに和紙や表装裂を貼り合わせて、保存性を取り入れた額縁を仕立てます。
住居の気密性が向上し、エアコン等で温湿度が急激に変化する環境が増えました。
昔の額縁では、(アクリル)ガラスがないものもあり、外気の影響を受けて、劣化した作品であれば、亀裂が入ったりします。

現代では、額装にはアクリルガラスを入れて、作品の保護をします。
紫外線カットアクリルガラスも対応可能です。
またアクリルガラスと作品とに空間を作り、作品の顔料等が付着することも防ぎます。

 

額縁の新調

主な額縁の構造 (仕様が変わる場合もあります)

 



 下地
 木材で格子状に組み立てた土台になります。
 その上に数回の和紙を貼り重ねます。

 

 

 

 

 

 

 縁  木地や塗りの種類があります

 中性紙マット 左の画像で金色部分
 単に書画の周りに額枠がついた状態ですと、物足りなさを感じます。

 マットを付けることで書画を着飾り、作品を引き立てます。

 酸を発生させない中性紙マットに意匠として表装裂を貼ります。

 作品 下地の上に作品を貼っています。

 

 

3作品修理と既成の額縁で保存

元は屏風に貼られていた扇面の作品を修理して、お手持ちの額縁で保存します。

 

 

額縁の一部加工

ご希望の額縁をお預かりして、和紙や裂を貼って、額装します。

扇面の土台は、雁皮紙   裂は正絹無地   枠は木地

 

 

4作品の修理のみ

修理品をお預かりして、作品の修復のみ行います。
作品を取り外した額縁は、そのままお返しします。


よくある質問

Q 現時点で使用している額縁を作品修理後にまた使用したい

A 可能です。但し額縁の損傷が大きいと、新調をお勧めする場合があります。詳細は現物拝見になります。

Q アクリルガラスのみ入れることは可能でしょうか。

A 構造上、可能かもしれませんが、お勧めはしていません。詳細は現物拝見になります。

Q 額縁を新調することとは?

A 現状の額縁に、アクリルガラスがない、また縁に損傷がある等、取り替えたい場合に新しくします。

修理した作品をその新しくした額縁に貼ります。

Q 作品のみ修理することととは?

A 作品を額から外して修理し、そのままお返しします。額縁に貼ることはありません。ご自身で、額縁に入れてください。

Q 作品は傷んでないようですが、額の布地やマットを取り替えたいのですが。

A 可能ですが、現物拝見が必要です。その後に、見積り案や修繕方法等をお伝えします。