掛け軸・欄間額・屏風を現在の住居に合うように、表装形式を変えて保存することが可能です。
現在の住居の変化により、床の間がない場合や、額の方が扱いやすいことで、掛け軸の形式を変更することも可能です。
1 掛け軸から画帖に変更
2 額装から掛け軸に変更
4 襖絵から額装に変更
5 屏風から掛け軸に変更
小型の掛け軸、特に曼荼羅掛け軸に見られるような手のひらサイズを一つにまとめる表装を行います。
曼荼羅自体の寸法が、タテ 35㎝ ヨコ15㎝ 以内であれば可能です。詳細は現物拝見になります。
小型の掛け軸が2幅あります。
2幅を1幅にまとめる方法もありますが、掛け軸を掛ける場所がないことから、画帖形式に変更します。
* 情報保護から、画像の一部を加工しています。
曼荼羅を画帖に貼り付けた形式
タテ43㎝ ヨコ18.5㎝ 厚さ1.5㎝
台紙に金砂子・周囲には金箔紙
第一紙・・・裏表紙
第二紙・・・曼荼羅
第三紙・・・曼荼羅
第四紙・・・裏表紙
* 情報保護から、画像の一部を加工しています。
* 情報保護から、画像の一部を加工しています。
掛け軸を解体して、曼荼羅を取り出して修理します。
掛け軸のように巻いて保存することを考慮した修理は行いません。
よって、作業内容も限られます。(裏打ち替え・欠損補填・色合い調整等)
修理後は平面に貼りますので、損傷が著しい曼荼羅も保存が可能です。
表紙は、緞子裂
模様は、仏表装によく使われる蓮華紋を使用
曼荼羅を貼る部分は、2面
表紙・裏表紙 2面
合計 4面
画帖の台紙に、修理後の曼荼羅を貼ります。
曼荼羅 修理費 修理工数 ★★☆☆☆ 2幅分合計 30,000円
画帖表装費 1冊 20,000円
合計費用 50,000円
作品の状態等により、変更ができない場合があります。
損傷度 ★ ★ 中
和紙に墨で描かれている
劣化・虫穴・欠損
作品を取り出すために、額装を解体します。
虫穴や劣化等で損傷が高い
掛け軸に表装できるように、裏打ち和紙の厚さを調整
古い書作品に相応しい表装裂で掛け軸に表装
書 修理費 修理工数 ★★★☆☆ 30,000円
掛け軸表装費 三段表装 広幅 80,000円
合計費用 110,000円
本来は地袋と呼ばれます襖絵でした。襖絵は、寸法に合ったレールがある場所に収まりますが、その場所が解体等により無くなる場合は機能としては失います。そのまま襖絵の状態より、表装形式を変更た方が保存しやすい場合もあります。
(作品の状態等により、変更ができない場合があります。)
損傷度 ★ ★ 中
金箔に墨で描かれている
金箔の亀裂・虫穴・欠損
伝 須賀蘭林斎・・・江戸時代の絵師
襖の引手(取っ手)があります。
そのままでは掛け軸には表装できません。
引手を取り外して、跡に和紙を補填しました。
引手跡も、従来は襖絵であったことの名残になります。
裏面の記録を表面に貼りこみました。
左右に分断されていた襖絵を、真ん中で付け合わせました。
絵が続いているので、違和感はありません。
また引手の穴は塞いで、違和感をなくすために補彩しました。
襖絵修理費 修理工数 ★★★★☆ 40,000円
掛け軸表装費 袋表装 大型サイズ 80,000円
合計費用 120,000円
本来は地袋と呼ばれます襖絵でした。襖絵は、寸法に合ったレールがある場所に収まりますが、その場所が解体等により無くなる場合は機能としては失います。
そのまま襖絵の状態より、表装形式を変更た方が保存しやすい場合もあります。
損傷度 ★ ★ 中 金箔に墨で描かれている 金箔の亀裂
金箔の亀裂
周りの縁や金具の引手を外して、額縁に収まるようにしました。
引手跡には、別の金箔を補填しました。
和室に合う形から、洋風の部屋にも合うようにデザインを変更。
襖絵修理費 修理工数 ★★★☆☆ 4枚分 40,000円
額装費 別注 60,000円
合計費用 100,000円
屏風装の状態
蝶番(ちょうつがい)と呼ばれる、開閉の根元が破損した場合は、根本的に修理が必要です。解体して、一から組み直すことから、費用面も大きくなります。
屏風に貼り付けていた作品を、取り出して掛け軸に表装できるように修理を行います。作品を修理した後、掛け軸に表装します。屏風に貼られた作品の状態により、掛け軸に表装できない場合があります。
襖絵修理費 修理工数 2枚分 ★★★★☆ 60,000円
掛け軸 表装費 袋表装 2幅分 100,000円
合計費用 160,000円